大腸がん
大腸がん

日本人が罹患するがんの中で、大腸がんは男女ともに非常に多く、年間およそ15万人が新たに診断されています。しかし、大腸がんは「早期発見さえできれば、完治が十分に目指せる病気」です。
早期の段階では自覚症状がほとんどないからこそ、定期的な検査で「見つける」ことが大切です。この記事では、大腸がんのサインや検査の重要性について、専門的な視点からわかりやすく解説します。
大腸がんは、遺伝的な要因に加えて、私たちの生活習慣が深く関わっています。以下のような項目に心当たりはありませんか?
日本では近年、こうしたライフスタイルの変化により、20年間で大腸がんによる死亡者数が約1.5倍に増加しました。特に40歳を過ぎるとリスクが急上昇するため、年齢に応じた対策が重要になります。
大腸がんは、初期段階では無症状です。しかし、がんが成長して腸の内腔が狭くなったり、表面から出血したりするようになると、以下のようなサインが現れます。
また、がんが発生する部位によっても特徴があります。右側(上行結腸)にできると貧血やしこりで気づくことが多く、左側(S状結腸や直腸)にできると便の形が変わったり、血便が出たりしやすい傾向があります。「いつもと違うな」という直感を大切にしてください。
当院では、大腸がんを早期に発見するために、段階を追って精密な診断を行っています。
1. 血液検査
血液検査では、出血による貧血の有無や、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9など)の値を測定します。これらはがんの存在の可能性を把握したり、その後の治療効果を評価したりするための指標となります。
2. 大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
大腸がん診断において、最も確実で重要な検査です。粘膜を直接観察できるため、がんの有無だけでなく、ポリープの段階で切除して「がんの芽を摘む」ことも可能です。当院では、AI診断支援機能や先端フードを用いた質の高い検査(ADR:腺腫発見率の向上)を徹底しており、死角に隠れた小さな病変も見逃さない体制を整えています。
3. 病理検査
内視鏡検査で異常が見つかった場合、組織の一部を採取(生検)し、顕微鏡で詳しく調べます。これにより、病変が良性か悪性(がん)か、またどの程度の悪性度なのかを確定診断します。
治療方針は、がんの進行度(ステージ)や患者さまの全身状態を考慮して最適なものが選ばれます。
内視鏡的治療(早期がん)
粘膜のごく浅い層にとどまる早期がんなら、内視鏡での切除が可能です。ポリペクトミーやEMR、ESDといった手法があり、体への負担が少なく、社会復帰も早いのがメリットです。
外科的手術(進行がん)
がんが深く浸潤している場合は、手術が必要です。がんのある腸管と、転移の可能性がある周囲のリンパ節を一緒に切除します。現在は腹腔鏡手術など、傷が小さく回復が早い方法が広く普及しています。
化学療法(抗がん剤・分子標的薬)
手術後の再発予防や、進行したがんに対して行います。近年の薬物療法は副作用の管理も進歩しており、通院しながら日常生活を維持することも可能です。
大腸がんは、早期発見ができれば5年生存率がほぼ100%という、非常に希望の持てる病気です。しかし、早期発見には「症状が出る前」の検査が欠かせません。
「検便(便潜血検査)で異常がなかったから」と過信せず、40歳を超えたら一度はしっかりとした内視鏡検査を受けることをお勧めします。特に、生活習慣に不安がある方や、ご家族にがんの既往歴がある方は、定期的なチェックがあなたの未来を守ります。
「あの時検査しておけばよかった」という後悔をしないために。地域の皆さまが、自分らしい毎日を笑顔で過ごせるよう、精一杯お手伝いさせていただきます。お腹に関するどんな小さな不安でも、どうぞお気軽にご相談ください。
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