胃がん
胃がん

胃がんは、胃の粘膜に発生する悪性腫瘍です。日本では罹患率が高いがんの一つですが、現在は「早期に発見すれば、内視鏡でお腹を切らずに治せる病気」へと劇的に進化しています。
初期段階では自覚症状がほとんどないため、「症状が出る前に見つけること」が最も重要です。本ページでは、胃がんのサインや原因、最新の治療について詳しく解説します。
胃がんは健康な粘膜から突然発生するのではなく、慢性的な炎症が続くことで「がん化の土壌」が作られることがわかっています。
日本人の胃がんの多くは、ピロリ菌による慢性胃炎が背景にあります。菌によって胃粘膜の萎縮が進行し、がんのリスクを大幅に高めます。ピロリ菌を除菌することで、胃がんの発生リスクを大幅に低下させることが可能です。
胃がんは初期にはほぼ無症状ですが、進行とともに以下のような身体の変化が現れます。一つでも心当たりがある場合は、早めの受診を強くおすすめします。
胃がんの有無や進行度を正しく判断するために、以下の検査を組み合わせて行います。
1. 胃内視鏡検査(胃カメラ)【最重要】
胃がんの早期発見において、最も信頼性の高い検査です。粘膜の色調変化やわずかな凹凸を直接観察できるため、ミリ単位の小さながんも発見可能です。また、疑わしい部位があればその場で組織を採取(生検)し、がん細胞の有無を確定診断できる唯一の検査です。
2. 上部消化管造影検査(バリウム検査)
バリウムを飲んで胃の形や粘膜の凹凸をX線で撮影する検査です。胃全体の形や、進行したがんによる胃の壁の硬さを把握するのには適しています。しかし、平坦な病変や微細な色の変化を捉えることは難しく、実は「早期がん」の発見には不向きです。バリウム検査で「異常なし」とされても、内視鏡検査でがんが見つかるケースも少なくありません。確実に早期発見を目指すのであれば、最初から胃カメラを選択することをおすすめします。
3. 画像検査(CT・超音波)
がんが胃の壁を突き抜けていないか、あるいは周囲の臓器やリンパ節への転移がないかを調べ、ステージ(進行度)を判断するために行います。
4. 血液検査(腫瘍マーカー等)
貧血の有無、肝臓・腎臓の機能、腫瘍マーカー(CEA、CA19-9など)を測定します。ただし、腫瘍マーカーは早期がんでは数値が上がらないことが多いため、あくまで補助的な診断材料として使用します。
胃がんの治療は、がんの進行度(ステージ)や患者さまの状態に合わせて決定します。
内視鏡的切除術(ESD・EMR)
転移のリスクが極めて低い早期胃がんが対象です。胃カメラを使って内側からがんを削り取るため、身体への負担が少なく、術後の回復も早いのが大きなメリットです。
外科的切除(手術)
がんが深い層まで進行している場合、胃の一部または全部を切除します。
化学療法(抗がん剤治療)
手術が困難なケースや、手術後の再発予防として行われます。
ピロリ菌除菌
がん治療後であっても除菌を行うことで、再発リスクを33〜50%低下させることが期待できます。
「症状がないから大丈夫」という思い込みが、早期発見の機会を逃してしまう最大の要因です。胃がんは、早期に見つけることができれば、これまで通りの生活を維持しながら完治を目指せる病気です。
特に40歳以上の方、ピロリ菌感染を指摘されたことがある方、喫煙習慣がある方は、年に一度の定期的な胃カメラ検査をおすすめします。
当院では内視鏡専門医が、苦痛を抑えた精密な検査を通じて、地域の皆さまの健康をお守りしています。「なんとなく胃が重い」といった些細な不安でも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。
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