急性胃炎・慢性胃炎
急性胃炎・慢性胃炎

「胃が痛い」「ムカムカする」といった症状で最も頻度の高い病気が胃炎です。胃炎には、急激に強い症状が出る「急性胃炎」と、長期間にわたって粘膜がダメージを受け続ける「慢性胃炎」があります。当院では、内視鏡専門医がそれぞれの原因を的確に診断し、適切な治療と将来のリスク管理を行います。
急性胃炎とは、胃の粘膜に急激に炎症が起こる病気です。突然のみぞおちの痛みや吐き気、不快感が生じるのが特徴です。
急性胃炎は、外からの刺激によって胃の防御機能が一時的に壊されることで発症します。
鎮痛薬(NSAIDs:ロキソニンなど)やステロイド、抗生物質などによる粘膜への刺激。
アルコールの飲み過ぎ、喫煙、コーヒーやスパイスなどの刺激物の摂り過ぎ。
過度な精神的・身体的ストレスは、胃の血流を低下させ、防御機能を弱めます。
細菌やウイルス、アニサキスなどの寄生虫、またはピロリ菌への初めての感染。
急性胃炎が疑われる場合、問診に加え必要に応じて胃内視鏡検査(胃カメラ)を行います。内視鏡では、粘膜のびらん(ただれ)や出血、潰瘍の有無を直接確認できるため、正確な診断に欠かせません。
慢性胃炎とは、胃の粘膜に長期間炎症が持続する状態です。炎症が続くと胃の粘膜が薄くなる「萎縮(いしゅく)」が進み、「萎縮性胃炎」という状態になります。これは将来的に胃がんを発生させる大きなリスクとなります。
以前は加齢によるものと考えられていましたが、現在、日本における慢性胃炎の約80〜90%以上はピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染が原因であることが分かっています。幼少期に感染したピロリ菌を放置すると、数十年にわたって胃を攻撃し続け、粘膜をボロボロにしてしまいます。
慢性胃炎はゆっくり進むため、「無症状」であることが少なくありません。症状がある場合は、以下のような「なんとなくの不調」が続きます。
ピロリ菌がいる場合は、まず「除菌」が最優先です。3種類のお薬を1週間服用することで、約90%以上の確率で除菌に成功します。除菌により炎症の進行を食い止め、胃がんのリスクを大幅に下げることができます。
ここが非常に重要です。「除菌したからもう安心」ではありません。すでに萎縮が進んでしまった粘膜は、除菌をしてもすぐに元通りにはなりません。除菌後も「胃がんになりやすい土壌」は残るため、年に一度の定期的な胃内視鏡検査を継続することが、命を守ることに直結します。
除菌後も胃もたれや不快感が残る場合には、胃の動きを助ける薬や胃酸を調整する薬を処方し、日常生活を快適に送れるようサポートいたします。
急性胃炎は「今」の苦痛を取り除く治療ですが、慢性胃炎は「未来」のがんを防ぐための管理が重要です。
特に「昔から胃が弱いから」「年だから胃もたれは仕方ない」と諦めている方の中には、ピロリ菌による慢性胃炎が隠れていることが多々あります。内視鏡検査で一度しっかり胃の状態を確認し、適切なケアを行うことで、胃がんの不安を最小限に抑え、健康な食生活を守りましょう。
「最近、胃の調子がすっきりしない」と感じたら、我慢せずにぜひ当院へご相談ください。
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