2026年9月07日
こんにちは。昭和区 川名駅から徒歩6分、いりなか駅から徒歩7分、「かわな内科 糖尿病・内視鏡クリニック」です。
前回のコラムでは、吐血に対する緊急胃カメラ(止血術)の現場についてお話ししました。
今回は胃カメラに続き、突然の下血(便に血が混じる・赤い血が出る)や激しいお腹の痛みに対して行う「緊急大腸カメラ(大腸内視鏡検査・処置)」のリアルな現場についてご紹介いたします。
突然の大量下血!大腸憩室出血と内視鏡止血
下血の症状で救急搬送されてくる患者様の中で、非常によく見られるのが大腸憩室出血(だいちょうけいしつしゅっけつ)です。
大腸の壁にできた小さな凹み(憩室)の血管が破れて出血する病気で、痛みを伴わずに突然大量の鮮血や暗赤色の血便が出ます。
・造影CTで出血点を特定: 大腸は全長1.5メートルもあり、大量の血液や便が溜まっているため、いきなりカメラを入れても視野の確保が困難です。そのため、まずは造影CT検査を行って『どのあたりの血管から出血しているか』のアタリをつけることが迅速な診断・治療の第一歩となります。
・ミリ単位の止血処置: CTの情報をもとに緊急大腸カメラを挿入し、大量の血塊(血の固まり)の奥から微小な出血点を特定します。特定できたら、止血クリップで血管ごと憩室を挟み込むなど、精緻な手技で確実に止血します。
大量出血によりショック状態になることもあるため、輸血や急速輸液を並行しながら行う一刻を争う現場です。
腸がねじれる・詰まる!S状結腸軸捻転とイレウス
血が出るだけでなく、腸が物理的に詰まってしまう緊急事態もあります。
・S状結腸軸捻転(じくねんてん): 便秘などが原因で大腸の一部(S状結腸)が雑巾のようにねじれてしまい、激しい腹痛や著しいお腹の張り(腹部膨満)を引き起こす病気です。放置すると腸の血流障害から壊死や穿孔(穴があく)につながる危険な状態です。このねじれに対して、内視鏡を用いて優しく腸のねじれを解除(復元)し、溜まったガスや便を排出させる整復術を行います。
・イレウス(腸閉塞): 大腸がんや手術後の粘着などが原因で腸の流れが完全にストップし、激しい痛みに襲われます。こうしたイレウスに対しては、内視鏡を使用して大腸内に金属製のステント(筒)や『イレウス管』と呼ばれる専用の減圧チューブを留置し、詰まりや圧力を解除する高度な処置を行っていました。
大腸ポリープ切除後出血への緊急対応と当院の工夫
当院でも日帰りで行っている大腸ポリープ切除術(ポリペクトミー)ですが、ポリープを切除した傷口から切除後数時間〜1週間ほど経ってから後出血(ポリペク後出血)を起こすケースが稀にあります。
病院勤務時代には、他院でポリープを切除した後に大量下血して救急搬送されてきた患者様の緊急内視鏡止血も数多く担当し、止血クリップや高周波止血鉗子を用いて確実に止血を行ってきました。
・当院での安全へのこだわり: こうした危険性を熟知しているからこそ、当院では「後出血を起こしにくいコールドスネアポリペクトミー(通電せず熱を加えない切除法)」を主に用いています。熱による組織の損傷がないため、後出血や穿孔(穴があくこと)のリスクが格段に低く、非常に安全度の高い日帰りポリープ切除を行っております。
基幹病院での経験を、日々の安全な診療へ
大腸憩室出血、S状結腸軸捻転、イレウス、そしてポリペク後出血――。 こうした一刻を争う大腸の緊急処置を何百件とくぐり抜けてきたからこそ、私は「大腸疾患の早期発見の重要性」と「検査・処置における絶対的な安全性」を追求し続けています。
当院(昭和区・八事〜御器所エリア)では、高次医療機関で培った確かな内視鏡技術を活かし、安全第一の大腸ポリープ切除や、正確で苦痛の少ない大腸カメラ検査を提供しております。
おわりに
「便に血が混じっていた」「急激なお腹の張りと激痛がある」「健康診断で便潜血反応が陽性(要精密検査)だった」という方は、決して放置せずお早めにご相談ください。
基幹病院レベルの高度な手技と深い知識で、皆様のお腹の健康と安心をお守りいたします。
■ この記事の監修・文責
院長:安藤 雅能(あんどう まさよし)
所属学会・資格
・日本内科学会 認定内科医
・日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
・日本消化器病学会 消化器病専門医
・日本肝臓学会 肝臓専門医
・愛知県 難病指定医
■ 当院へのアクセス・ご来院エリアについて
当院は名古屋市昭和区駒方町に位置し、無料の駐車場を多数完備しているため、お車・電車のどちらからでも非常にアクセスしやすい立地にございます。クリニック正面道路を挟んで対側の駐車場をご利用ください。
地下鉄でお越しの方(最寄り駅): 名古屋市営地下鉄 鶴舞線「川名駅」から徒歩6分、「いりなか駅」から徒歩7分の場所にございます。同地区、また遠方の方でも、安心安全な大腸カメラをご希望の方は、是非当院までご相談ください。
